「白珠は 人に知らえず 知らずともよし 知らずとも 吾し知られば 知らずともよし」
六月です(○・v・)∩
一日の今日は、真珠の日だそうです!
冒頭の歌は、令和で話題になった万葉集に載っている真珠の題材にした歌です。
真珠の本当の価値は人にはわかりない。わからなくてもよい。人がわからなくとも、私自身が知っていれば、知られなくても良い。
作者は元興寺の僧で、博識でありながら周囲に理解されず、自らを嘆いた歌だそうです。
お坊さんでありながら、自分を真珠にたとえるのもなんだか高慢にも思えますが、私には、真珠のように輝くものは内に秘めておいてひけらかすものではないと言う風にも感じられました。
この他にも、真珠は「しらたま」や「あわびだま」「あこや」と呼ばれ、昔から美しさや高貴なものとして歌われています。万葉集だけで40首以上もあるとか。
和歌といえば、恋の歌。
もちろん、真珠を美しい女性にたとえた歌もたくさんあります。
「伊勢の海の 海人の島津が あわび玉 採りて後もか 恋の繁けむ」
(伊勢の海の海人が、島津の鰒玉真珠を採ったあとも、さらに恋しく思うだろう)
「近江の海 沈く白玉 知らずして 恋ひせしよりは 今こそまされ」
(近江の海に沈む白玉を知ることもなく恋していた時より、今の方が(恋心が)増している)
どちらもとても情熱的な歌ですね。
飽きることない真珠の美しさは、今も昔も変わらず愛されていて、そうした魅力を女性にたとえています。
島津は志摩、近江は琵琶湖のことです。
万葉集は奈良時代、日本最古の和歌集ですから、当事から伊勢志摩、琵琶湖は真珠の産地だったことが分かります。
古代日本はアコヤ真珠の産地として、中国の魏志倭人伝や、後漢書にもその記録が残っています。
実は日本最古の輸出品のひとつだったのですね。
江戸時代の鎖国中も中国・オランダに輸出され、この頃の日本では薬としても珍重されていました。
戦後は、物資が乏しい中、真珠は輸出品として外貨を稼ぎ、日本経済に多大な貢献をしました。
世界中から愛され、日本の歴史にも関わりの深い真珠ですが、真珠の恋の歌は、海の底にある真珠を手の届かない美しい女性にたとえたものも多いようです。
古代では、高貴な人だけが身に着けることができた真珠。
養殖が発展して、今では多くの人が手にできるようになりました。
普段ジュエリーを着けない方にも一番身近なジュエリーといえます。
新しい時代を迎え、これから、より多くの人が真珠を身近に手にできるようになるのでしょうか。
真珠をつけるにふさわしい人間になるべく己を磨いていかなければなりませんね。
というわけで、令和最初の真珠の日にちなみ6月の誕生石パールのお話でした。
キネヤでは一連のネックレスや一粒ピアスなどフォーマルなものからラグジュアリーなものまで、多数取り揃えております(*^▽^)/
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*Kayamori*